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2017年6月17日土曜日

ルーマン読みながらドイツ語勉強(5)[タイトル]

ルーマン読みながらドイツ語勉強(4)[タイトル]


Der Funktionsbegriff in der Verwaltungswissenschaft


もう1個の名詞「行政学」 Verwaltungswissenschaft [女]の方は、実はこれは[3格]です。どうしてこれが[女3格]になるのかというと、これも「日本語の助詞との対応からははみ出す「格」の用法」で、今回後半で述べます。


とりあえず「定冠詞」を見てみると der Verwaltungswissenschaft です。この der が[女3格]を表示しています。

つまり der Funktionsbegriff と der Verwaltungswissenschaft で、どちらも定冠詞は der なのですが、前者は[男1格]で後者は[女3格]なのです。


せっかくなので、ここで[女]の定冠詞の格変化を覚えましょう。

[女1格]die

[女2格]der

[女3格]der

[女4格]die

カタカナで「ディ|デア|デア|ディ」と10回唱えてみてください。はいこれで覚えました。


次になぜこの「行政学」 Verwaltungswissenschaft [女]が[3格]になるのかを説明します。

この論文タイトルでは、名詞「行政学」は「行政学における」という形で、これから論じていく機能概念は行政学において用いられるものだよ、ということを示しています。そしてドイツ語では、この「~における」ということを表現するために「前置詞」 in が用いられます。ここでの in の意味は、英語の前置詞の in の意味とほぼ同じです。

「前置詞」はその名の通り「名詞の前に置かれる」ものですが、なんと前置詞ごとに(あるいはその用法ごとに)、後ろに置かれる名詞の「格」が決まっています。これを前置詞の「格支配」といいます。


前置詞 in が「~における」とか「~の中で」の意味で使われるときは、この in は[3格支配]です(ちなみに「~の中へ」の意味で使われるときは[4格支配]になります)。

「行政学における」を表すために前置詞 in が用いられているために、名詞「行政学」 Verwaltungswissenschaft は[女3格]となり、そのことを定冠詞 der が表示しているわけです。


今回のまとめ

  • [女]の定冠詞の「格変化」は die, der, der, die (ディ|デア|デア|ディ)
  • 「前置詞(の用法)」ごとに名詞の格が決まっている(各支配)
  • 「~の中で」の in は[3格支配]

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