このブログを検索

2017年6月26日月曜日

ルーマン読みながらドイツ語勉強(15)[1-1]

ルーマン読みながらドイツ語勉強(14)[1-1]


Erörterungen über einen Begriff können für sich allein nicht richtige oder unrichtige Resultate ergeben, Wahres oder Falsches entdecken oder feststellen.


この文は[できない文]ですから、否定文を作るための nicht (英語の not)が付いています。


[述]([不定詞句])において、基本的に nicht は[動詞]の前に付けます。つまり

A11: richtige Resultate nicht ergeben können

A21: unrichtige Resultate nicht ergeben können

B11: Wahres nicht entdecken können

B21: Falsches nicht entdecken können

C11: Wahres nicht feststellen können

C21: Falsches nicht feststellen können

というふうにつけます。


日本語だと

「…を|~する|ことができ|ない」

の順番ですが、ドイツ語だと

「…を|ない[~することが|できる]」

みたいになる感じです。


この[述]に[主]がくっついて[文]になると、最後尾の[不定形] können が[定形](上の文のように[複主]の場合は[定形]も können )に変化して[第2位]に移動することについては前に解説しました。


つまり

A11': [複主] können richtige Resultate nicht ergeben

A21': [複主] können unrichtige Resultate nicht ergeben

B11': [複主] können Wahres nicht entdecken

B21': [複主] können Falsches nicht entdecken

C11': [複主] können Wahres nicht feststellen

C21': [複主] können Falsches nicht feststellen

となるわけです。


以上が「原則こうなる」という話ですが、上の文を見ると nicht はそういう位置には付いていませんし、そもそも1個しか書いてありません。そこで次に、この点について解説します。


まず、この文の意味としては

「ある概念についての議論は、それ自体では、正しい結論をもたらすこともできないし、正しくない結論をもたらすこともできないし、真を発見することもできないし、偽を発見することもできないし、真を確定することもできないし、偽を確定することもできない」

ということで、

[A11, A21, B11, B21, C11 und C21]

の形になっています。これは論理的に

nicht [A1, A2, B1, B2, C1 oder C2]

の形に変形することができます([否定の連言]=[[肯定の選言]の否定])。

上の文における nicht も、まさに[[肯定の不定詞句]の選言]( oder による連結)の前に置かれて、[否定の連言]と同内容のことを述べていることが確認できるはずです。


今回のまとめ

  • 否定文を作るときは nicht を使う(英語の not)
  • [否定の不定詞句]では、基本的に nicht は動詞の前に置く
  • [否定の連言]を[[肯定の選言]の否定]に書き換えるときは nicht を[肯定の選言]の前に置く


ルーマン読みながらドイツ語勉強(16)[1-2]へ


0 件のコメント:

コメントを投稿