このブログを検索

2017年7月21日金曜日

ルーマン読みながらドイツ語勉強(28)[1-3]

ルーマン読みながらドイツ語勉強(27)[1-3]


Das ist erforderlich, um den Begriff für eine logisch korrekte und kontrollierbare Verwendung vorzubereiten, damit ein jeder versteht, was der andere mit ihm meint.


[ damit 節]の主語が ein jeder で、[ was 節]の主語が der andere です。今回はこの2つの主語について解説します。


まず4つの単語についてですが

・ ein は「1つの~」の不定冠詞(英語の a )

・ jeder は「任意の~」の代名詞(英語の each / every )

・ der は「その~」の定冠詞(英語の the)

・ andere は「他の~」の形容詞(英語の other)

です。なお主語ですから ein jeder と der andere はいずれも[1格]です。性と格語尾については後述します。


次に、 ein と der andere は対応する表現です。「或る~」と「それとは別の~」が対応すると考えてください。すると、後者は前者に依存していることがわかります。「或る~」が決まらないと「それとは別の~」は決まりません。「それとは」の「それ」が「或る~」にあたるわけですから当然ですね。

前者に不定冠詞 ein が、後者に定冠詞 der が、それぞれ割り当てられているのはそのためです。「或る~」を言うときにはいろいろある「~」のうちどの「~」を選ぶかについて限定がありませんが、いったん「或る~」を選んでしまうと、「それとは別の~」にはまさにそれとは別のものでなければならないという限定がかかってきます。だから前者は不定冠詞で、後者は定冠詞なのであり、だから文中で不定冠詞が先に出てきて、定冠詞が後に出てくるのです。


以上を踏まえて、さらに最初の「或る~」はほんとにどの「~」でもいいんだよということを強調するために「或る任意の~」という言い方をします。そのために ein に jeder をくっつけているわけです。

これで ein jeder と der andere の対応についての解説は終了です。


次に性と格語尾について解説します。実はこの文では「或る任意の人」と「それとは別の人」が対比されています。こういうふうに「人」について「或る任意の~」とか「それとは別の~」と言いたいときは、後ろに[男]がくっついているふりをして実際にはその[男]を書かない、という書き方をします。

すると、不定冠詞は[男1格]のときは格語尾を付けませんので ein です。前にある不定冠詞が格を積極的に表示してくれてないわけですから、次に来る jeder が[男1格]を表示することになり、結局「或る任意の人」は

ein jeder [男]

となります。


「それとは別の人」も同様で、まず[男1格]ですから定冠詞は der です。前にある定冠詞が格を積極的に表示してますから、次に来る ander はとりあえずの語尾(弱語尾)になります。[男1格]は弱語尾が -e になる 5/16 の1つですから、結局「それとは別の人」は

der andere [男]

となるわけです。


今回のまとめ

  • ein と der andere は「或る~」と「それとは別の~」の意味で対応
  • 「或る任意の~」と強調したいときは ein jeder
  • 「或る任意の人」と「それとは別の人」を対比させたいときは、後ろに[男]がくっついているふりをして実際にはその[男]を書かない

0 件のコメント:

コメントを投稿