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2017年7月17日月曜日

ルーマン読みながらドイツ語勉強(27)[1-3]

ルーマン読みながらドイツ語勉強(26)[1-3]


Das ist erforderlich, um den Begriff für eine logisch korrekte und kontrollierbare Verwendung vorzubereiten, damit ein jeder versteht, was der andere mit ihm meint.


接続詞 damit で始まる箇所ですが、ここはこれだけで「誰もが~を理解するために」という意味の一個の文になっています(ただし「~を」にあたる部分はコンマの後の was 以下に書かれています)。これを[ damit 節]と呼びます。


この[ damit 節]についてまず、これは意味としては直前の[ um + zu 不定詞句]と同じで、「~するために」という[目的]を表すものだということです。


しかし重要な違いもあります。[ damit 節]の中身はあくまでも[文]だということです。[文]なので

[主]+[述]

の形になっています。[ zu 不定詞句]は[文]未満の[述]だけを取り出したものですので[主]が不特定です。これに対し、[ damit 節]であれば、節の中に[主]を書き込んで特定してやることができます。


次に、[ damit 節]の中身は[文]ですが、これは[副文]だということです。[主文]と[副文]の最大の違いは、[定形]の位置です。[動詞]は[主]が特定されると活用して[定形]になりますが、[主文]だとその[定形]が[第2位]に移動するのに対し、[副文]の場合はこの移動が起こらないのです。

[主文]: [定形]が[第2位]に移動

[副文]: [定形]が移動しない

上の例だと

damit ein jeder versteht, was ...

で、動詞 verstehen (「理解する」、英 understand)が、 ein jeder という[三単]主語を承けて[定形] versteht になっています( ein jeder については次回解説します)。ちなみに、この動詞の語尾 -en を取って -t を付けるというのは、[三単]主語を承けた[定形]の作り方としては最も一般的なものです。

さて、残念ながらこの文では「~を」に当たる部分が、コンマの後の[ was 節]として後回しにされているため(この[ was 節]については次々回にやります)、動詞 verstehen は最初から[主]( ein jeder )の次の[第2位]にあり、その結果、移動してもしなくても[定形]が[第2位]に置かれることになっているのでわかりにくいのですが、[ damit 節]は[副文]なので、この versteht は「移動していない」と考えてください。


ここで、この例文全体の構造についてひとこと触れておきますと、[主文]「それは必要である」の中に(正確にはそれに従属して)[目的]を表示する[ um + zu 不定詞句]があり、その[ um + zu 不定詞句]の中に(それに従属して)[目的]を表示する[ damit 節]があり、その[ damit 節]の中に(それに従属して)その目的語を表示する[ was 節]がある、という四重の入れ子構造になっており、それに伴って述語動詞も4個書かれています。すなわち、

[主文] sein

[ um + zu 不定詞句] vorbereiten

[ damit 節] verstehen

[ was 節] meinen

です。3文目にしてなかなかややこしい文にあたってしまいました。


今回のまとめ

  • [ damit 節]は「~のために」という[目的]を表す
  • [ damit 節]は[文]([副文])なので([ um + zu 不定詞句]と違い)[主]の特定が可能
  • [副文]では[定形]が移動しない
  • 動詞の語尾 -en を取って -t を付けるのは、[三単]主語を承けた定形(現在形)の作り方として最も一般的

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1 件のコメント:

  1. 初めまして、こんにちは。

    三谷さんが「たけみたの脱社会学日記」にて書かれた「七色いんこ」に登場する万里子の高校生時代の子分・「ロリコンのヨーコ」のロリコンの意味ですけど、多分ヨーコが万里子の子分になった後、万里子が鳥アレルギーで縮んだ姿をヨーコが目撃して可愛らしいと思い、より一層彼女を慕うようになったのを周囲からロリコン呼ばわりされたことで名乗っていたのではないかと思われます。

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